企業とのパートナーシップのもと、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の最先端事例を実戦型で学ぶ東京ビジネス外語カレッジ(略称TBL)の「デジタル・ビジネスコース」。今回は、ブランディングとマーケティングPRをテーマにした「デジタルマーケティング」の授業を紹介します。
日本のみならず世界市場で活躍するトップマネジメントになるは、広報の視点が欠かせません。資金調達などの目的で、自分のビジネスプランをどのようにプレゼンテーションするのか。自社の製品やサービスをどのように広報し、マーケティングやブランディングに結びつけるのか。
TBLデジタル・ビジネスコースの「デジタルマーケティング」では、こうした広報の最先端事例や知識を広報・PRのプロから直接学ぶことができます。講師を務めているのは、広報事務所SPRIL代表の福地聖佳さんです。
広報事務所SPRILは、ヒト・モノ・コトの本来の魅力を見出し、磨き、戦略的に発信していく広報・PRのプロフェッショナルエージェント。ビジネス現場の最先端で活躍するエキスパートとして、全6回にわたり、広報を理解し、「広報脳」を身につけて社会で活かすための講義を展開しています。

講義はまず、広報・Public Relationsの解説からスタートしました。広報に類似する言葉として広告がありますが、企業側が掲載枠を買い取らなければいけない広告に対して、メディア側が価値を感じて掲載枠を提供するのが広報。その視点から、ニュースリリースやメディアリレーションの解説に発展し、実際にニュースリリースを書いてみるという実戦的なワークショップも行われました。
今回の講義は、「マーケティングPR+ブランディングとは」がテーマ。どちらも近年のマーケティングにおいて重要度が増している知識です。ブランドの語源は「burned」で、自分の家畜と他人の家畜を区別するために押した焼印に由来するという説を紹介するなど、ブランディングの意味を掘り下げていきます。
そして有名なコーヒーショップチェーンを具体的な例として、ブランドを発信するのに重要な4つの要素(プロダクト、働く人、場所・空間、コミュニケーション)に分けて解説されました。それぞれの要素から、その企業に対してどんなブランドイメージを持っているかを確認し、身近な例からブランディングとは何かが説明されていきます。

もうひとつの項目が、いま日本の広報業界で主軸となりつつあるマーケティングPR。商品・サービスPRとは異なり、立ち上げたブランドを誤解なく、より効果的に受け取ってもらうために、自社の強みであるデータを活かした広報活動のことです。
福地さん自身が担当した、若い女性をターゲットにした企業の「女子大生のお金と働き方」に関する調査結果のプレスリリースを例に、マーケティングデータを活用する重要性が説明されました。

講義後、福地さんにマーケティングPRについてお話をお伺いしました。
■福地聖佳さん(広報事務所SPRIL代表)からのメッセージ
「スタートアップ企業として商品・サービスPRに取り組んでも、知名度や読者の有益性という観点から、あまり大きな効果は期待できません。それがマーケティングPRであれば、長期的な効果が期待でき、専門性がメディアに認知されることで優位性が高まります。マーケティングPRはビジネス社会でもまだ十分普及していないので、学生のみなさんにとっては難しいテーマかもしれません。でも、少しでも知識があるかないかで、ビジネス社会に出たときの可能性が変わっていくのではないかと思います」
今後の授業では、PRネタの作り方と危機管理の広報を学び、最後の授業では学生が自分で商品・サービスをPRするというワークショップが行われます。このように一方的に講義を聞くだけでなく、学生たちは実戦型の学びを通して広報・PRについて学び、ビジネス社会で活かせる「広報脳」を身につけていきます。