留学前に必要な英語力はどれくらい?おすすめ勉強法とスケジュールを徹底解説!

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はじめに

海外留学は英語力を向上させる効果的な方法です。
貴重な機会を最大限に活用するために、本記事では留学前に日本で行うべきことや技能別におすすめの英語勉強法をご紹介します。

・留学で成功するために必要な英語力とは?

留学先や目的によって、留学前に必要な英語力は異なります。

語学学校の一般英語コースの場合はパスしなければならないスコアはありませんが、ビジネス英語や英語試験対策など特化したコースはレベルが決められています。
また、高校や大学、大学院などそれぞれに入学願書を提出する時点で、指定されたテストの規定スコアをクリアしている必要があります。

テストのスコアだけでなく、日常生活で海外の方と簡単なコミュニケーションが取れる程度の英語力を身につけておきましょう。

それにより、現地での留学生活がスムーズに進み、成果も上げやすくなります。

・留学前に英語力をどれくらい上げておくべき?

規定のテストスコアに加えて、簡単な日常会話ができるくらいのリスニング力、スピーキング力は身につけておいたほうが良いでしょう。
大学や大学院では、アカデミックな専門用語の知識も必要です。

2.留学に必要な英語力

海外留学の際は、英語レベルを証明するため、出願書類に指定されたテストのスコアを添付する必要があります。

主に、下記のいずれかのテストスコアが求められます。
・IELTS(International English Language Testing System:アイエルツ)
・TOEFL®(Test of English as a Foreign Language:トーフル)
・TOEFL iBT(Test of English as a Foreign Language:トーフルインターネットベーステスト)

2-1学校別の入学基準と目標レベル

入学を許可されるスコアは学校によって異なるので、各校の入学条件を確認する必要があります。

入学基準の目安は下記の通りです。
【大学院】 
・IELTS…6.5以上
・TOEFL iBT®…80〜100程度 参考までにTOEIC®のスコアでは875点以上です。


【大学】
・IELTS…6.0以上
(医学部、建築学部、法学部、教育学部などの難関学部では7.0以上)
・TOEFL iBT®…61以上

参考となる基準は
・英検®では2級A~準1級程度以上
・TOEIC®は700点~780点程度
となっています。


【高校】
留学先によって求められる英語力は異なりますが、ほとんどの場合、特段英語力は必要とされません。

ただし、中長期程度の留学の場合、英検®3級〜2級程度のレベルの英語力が求められることがあります。
英語力の合格基準がなくても、英語の面接がある場合もあります。

カナダなどは、3級でも受け入れてくれるところはありますが、3級では現地での学校生活に苦戦するので、2級など力を付けてからの渡航をお勧めします。

【目標レベル】
IELTSとTOEFLで目指すべき指標は以下です。
・IELTS…6.5以上(難関大学、難関学部は7.0以上)
・TOEFL…70点前後(難関大学は100前後)

2-2単語

英語力の基礎となる単語は、日本にいるときから準備することができます。
できるだけ覚えておきましょう。約10,000語の単語を暗記することを目指しましょう。

【おすすめの勉強法】
英語力を身につけるためには単語を習得することが必須です。
そこでおすすめの勉強方法を3つ紹介します。

①単語帳を使った暗記
手を動かして単語を書くことで、記憶に残りやすくなります。
特別な機器を必要としないのがアナログの良さです。
繰り返し復習をすることで単語をより記憶できるでしょう。
また、覚えた単語を使って日常生活の場面で使い、例文を自分で作ってみましょう。
インプット&アウトプットを繰り返すことで、効率の良い記憶への定着を図ります。

②アプリやオンラインツールの活用
オンラインツールを使うことで単語のスペルと音を同時に覚えられるのがメリットです。
アプリによってはゲームやクイズもあるので、飽きずに楽しく続けられます。
継続しやすく、自身に合っているものを選択しましょう。
代表的なものとして、Duolingo, Praktika, Elsa 等があります

③英文を読んだり聞いたりして覚える
単語のみを暗記しても文章に組み込まれた場合の使い方は覚えられないので、文章を読みながら単語を覚えていくことで、効率的に進めることができます。

【おすすめの教材4選】
英単語を勉強していくうえで役立つおすすめの教材を4つ紹介します。

①キクタン【Advanced】6000語レベル
リズムに乗ったチャンツで英単語を覚えられる人気シリーズ「キクタン」の難関大学合格レベルです。
CDを活用して耳から覚えるのがおすすめです。

②【音声ダウンロード付】実践IELTS英単語3500
IELTS受験に焦点を絞った単語集です。
ダウンロード可能な音声はイギリス英語の発音に特化しているので、イギリスの大学を目指す人におすすめです。

③DUO3.0
わかりやすく短い例文が含まれているので、例文ごと暗記して使い方を覚えられます。

④英語アプリmikan
英単語学習に特化した無料スマートフォンアプリです。
さまざまな英語力試験の各レベルに対応しています。
有料プランでは、コンテンツが無料版に比べるとさらに増え、さまざまなシーンで応用できる英語を身につけることが可能です。

2-3文法

中学、高校で習う英文法がひと通り理解できることが望ましいです。
留学先の授業で必須なので、「主語」「動詞」などの【文法用語】も覚えておきましょう。


【おすすめの勉強法】
文法を勉強するにはどのような勉強法が良いのでしょうか。
おすすめの勉強方法を紹介します。

①文法書を使った学習
自分に合った文法書を1冊選び、繰り返し読んで定着させましょう。
その文法書を自分でまとめて、オリジナルの文法書を作ったりすると、より英語への理解が深まるでしょう。

②問題集を使って練習
理解しやすく、モチベーションの保てる問題集を繰り返し解くのがおすすめです。
そうすることでより理解度が高まるでしょう。

③英文を読んだり聞いたりして理解を深める
英語の文法をある程度理解した後は、実際に話せるように口頭でも練習をしましょう。
例文の多い参考書を使って、単語を入れ替えながら繰り返し練習するのがおすすめです。
例)I’d like to go. / I’d like to have ~. / I’d like to see ~.

【おすすめの教材3選】
文法を勉強していくうえで役立つおすすめの教材を3つ紹介します。

①『しゃべり「型」英文法』(電子書籍版あり)
「話す」「書く」際に、ネイティブスピーカーが実際に使う例文で練習ができます。
アウトプットに役に立つ文法を厳選した一冊です。

②『【CD・音声DL付】キク英文法』
日本の大学入試に必須の英文法212項目を、7週間でマスターできるようデザインされた文法書、問題集です。
1日の学習量が3分〜9分となっており、空いている時間を有効活用できます。

③Duolingo(スマートフォンアプリ)
完全無料で利用できるアプリです。
勉強の目的、レベル、学習時間などを設定すると、AIが学習者に合った個別のプログラムを提供してくれます。
基礎の学習をはじめたばかりの初心者におすすめです。

2-4リーディング

程良いボリュームの、流れのある文章が読めるようにしておきましょう。

【おすすめの勉強法3選】
リーディングの勉強方法では、まず英語に慣れることを目指しましょう。
そこで、おすすめの勉強方法を紹介します。

①自分に合ったレベルの英文を読む
英語学習者向けにレベル分けされている”Graded Readers”と呼ばれるシリーズがあります。
自分のレベルに合った、簡単で興味がある短い本を数多く読むことで、リーディング力の向上が見込めます。

②わからない単語や文法を調べる
本やニュース記事などを読んでいる際にわからない単語や文法があったら、まずは文脈から意味を推測する習慣をつけましょう。
細かい内容までは理解できなくても、良し悪しなどのニュアンスだけでも推測してから調べることで、読解力がついてきます。

③内容理解を深めるために精読する
長文には、関係代名詞や関係副詞、分詞構文などの複雑な意味合いを持つ単語が文章に数多く含まれています。
このような構造が複雑な文章を正確に理解するためには、じっくりと文章を読み込むことが大切です。
正しい文章を理解するために、一文ずつ丁寧に読み解く練習も取り入れましょう。

カジュアルな教材を読み慣れたら、ニュースやメディアの用語に慣れるために新聞などにも挑戦してみましょう。

【おすすめの教材3選】
リーディングの勉強で役立つ教材を3つ紹介します。

①Oxford Bookworms Library(オックスフォード・ブックワーム・ライブラリー)
語彙数や文章量、内容でレベル分けされた英語学習者向けGraded Readersシリーズの草分けです。
レベルごとに8冊〜10冊がセットになったお得なパックもあります。

②ラダーシリーズ
易しい単語でリライトされた、日本人向けに作られたGraded Readersのシリーズです。
多読で英文に慣れるのにおすすめです。
お得なKindle版を利用するのも良いでしょう。

③Buzz Feed(ニュースサイト)
海外のトレンドや最新のニュースを読むことができるニュースサイトです。
短い記事は空いている時間に読むのに最適で、ネイティブスピーカーと話す際の話題作りにも役立つでしょう。

2-5リスニング

ネイティブ英語の発音と、抑揚、スピードに慣れておきましょう。

【おすすめの勉強法3選】
リスニングの勉強は英語を聞くだけでも英語学習につながるでしょう。
さらにリスニング力が上がるような勉強方法を紹介します。

①英語の音声を多く聞く
ラジオやYouTube、ポッドキャストなど、英語の音声を無料で聞けるツールがたくさんあります。
また、Amazonのaudible(オーディブル)で、本の内容を音声で聞くのも良いでしょう。
1.5~2倍速で何度も聞いてスピードに慣れると、通常スピードで聞いたときにゆっくりに聞こえます。

②シャドーイングやディクテーション
シャドーイングとは、ネイティブの音声の後について音読する練習方法です。
内容を理解した上でシャドーイングをすると、ネイティブのイントネーションやスピードに慣れることができます。
ディクテーションは、英語を逐一日本語に訳すことなく、英語のまま理解する練習として最適です。

③英語の映画やドラマを見る
英語の映画やドラマは、興味を持って観続けられる良い教材です。
1回目は日本語吹き替えで、2回目は日本語字幕で、3回目は英語字幕で、4回目は字幕なしで、と繰り返し観るのがおすすめです。
また、映画の出演者の台詞を真似してみることで、スピーキングの練習も並行して行う事ができます。

【おすすめの教材3選】
リスニングで勉強をする際に最適な教材を3つ紹介します。
聞くだけで勉強することができるので、手軽に英語力を身につけることができるでしょう。

①TED
短いものは5分くらいから、数多くのスピーチを聞くことができます。
内容が多岐にわたるので、興味のあるテーマから始めてみましょう。

②『15時間で速習 英語耳 頻出1660語を含む英文+図で英会話の8割が聞き取れる』
1日2分✖3回、トータル15時間のシャドーイングで英語を聞き取る耳を鍛えるシリーズです。
シャドーイングは低速から始めるのがおすすめです。

③レシピー(スマートフォンアプリ)
AIにより学習者一人一人に最適化された学習カリキュラムでの自習と、先生とのオンラインレッスンの組み合わせで進める英語学習アプリです。
月額480円の低価格でスタートできます。

2-6スピーキング

スピーキング力は留学先でブラッシュアップされますが、日常生活に必要なことは話せるようにしておくのがおすすめです。

また、正しい発音も意識して練習すると、留学先でのコミュニケーションがさらにスムーズになるでしょう。

【おすすめの勉強法2選】
スピーキングの勉強方法は実際に声に出すことです。
どのように話して、英語力を高めるのか紹介していきます。

また、先にあげたPraktika等はAIと話すことができるので、間違いを恐れずにたくさん話すことができます。

①外国人と話す機会を作る
短時間からでも英会話のレッスンが受けることができるオンラインレッスンのポータルサイトが多数あります。
担当の先生は指定の国籍から選択することができるので、さまざまな国籍の先生と話す練習をすると良いでしょう。

②独り言を英語で言ってみる
朝起床してから夜就寝するまでの間に起こった、自分や家族、または友人の行動を英語で実況してみるのがおすすめです。
身近なのに知らない単語や表現が明確になるので、そこから語彙を増やしていきましょう。

【おすすめの教材3選】
スピーキングの学習に最適な教材は3種類あります。
順番にみていきましょう。

①レアジョブ(オンライン英会話)
フィリピン人講師とのレッスンが受けられるマンツーマンオンライン英会話サービスです。
「安価・たくさん量を話せる・高品質」が強みというだけあり、利用者から高い評価を得ています。

②Speak(スマートフォンアプリ)
日本人の発音に特化した音声認識機能を搭載したスピーキング練習専用アプリです。
従来の英会話サービスよりも話せるように作られています。

③『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)』
中学レベルの文型で、簡単な英文を「早く・多く・つくる」トレーニングの本です。
文法の意味をしっかりと押さえた後に使うと効果が出やすいでしょう。

2-7ライティング

長文のライティングが必要になるのは、主に学校の授業です。
しかし、正しい文法さえ理解していれば、あとは型に沿って文章を書くことで、論理的な文章が書けるので問題ありません。
留学前の準備として、メールやプレゼン、エッセイ、チャットなど、さまざまなパターンの型に慣れておきましょう。

【おすすめの勉強法2選】
ライティングの勉強方法は書くことと添削してもらうことの2種類です。
詳しく説明していきます。

①英文を書く練習
英文を書く練習として、毎日、英語で日記を書いてみるのがおすすめです。
はじめは、言いたいことを簡単な日本語に直してから、それを英訳するとします。
また、SNSの投稿を英語にしてみるのもおすすめです。
ネイティブスピーカーがフォロワーにいれば、正しい書き方を気軽に尋ねることもできるでしょう。

②ネイティブに添削してもらう
ネイティブの英語コーチから、ライティングのコーチングを受けるのがおすすめです。
留学先でレポートや論文を書く可能性のある方は、論理的な文章かネイティブの目線で確認してもらうのが大切です。

【おすすめの教材3選】
ライティングの勉強に役立つ教材を3種類紹介します。

①『究極の英語ライティングBasic』
フォーマルな英文を書くために必要な「論理的な文章」の書き方テクニックが身につきます。
大学の論文やエッセイを書く際に役立つでしょう。

②『英語ライティングの鬼100則』
資格試験やレポートのための書き方を学べるテキストです。
前半は正しい1文を書くための構文100を、後半は論理的な文章の構築方法を紹介しています。

③英文添削IDIY(アイディー)(オンライン添削サービス)
英文添削だけに特化した、世界中の講師から指導が受けられるアプリです。
毎日利用できる上に、添削が早くて丁寧だと利用者からも好評です。

3.学習スケジュール

留学前の学校の選定、テスト受験、入学手続きなどは1年半前には開始する場合が多くあります。
必要な手続きが済み落ち着き次第、入学願書に添付するテストの勉強とは別に、さらに実践的な英語の勉強の準備を始めましょう。

順序としては、まずは単語、文法などの基礎を固め、つぎにリーディングやリスニングなどのインプット、そしてライティングやスピーキングといったアウトプットを、最後の追い込み期間で実践的な会話練習をするのがおすすめです。

3-1留学Xヶ月前に何をどれくらい勉強するのか


留学前にはどのくらいの勉強をすると良いのでしょうか。
期間ごとに勉強方法と内容は異なるため、それに合わせて取り組みましょう。


1年半前〜  
各種テストのための勉強をします。
公式の問題集で4技能を強化し、短期集中で毎日1時間〜2時間程度確保しておくのが良いでしょう。


1年前
テストを受験し、結果を留学のための入学願書に添付します。


12カ月前〜
単語や文法などの英語の基礎を、週に4時間程度勉強します。


9カ月前~
リーディングやリスニングなどのインプットを強化します。
あいている時間を活用しつつ、週に6時間程度は確保しましょう。


5カ月前~ 
ライティングやスピーキングなどのアウトプットを強化します。
1回につき1時間以上は集中して取り組むようにすると効果的です。
講師からフィードバックをもらいつつ、週に6時間程度勉強するのが望ましいです。


3カ月前~ 
追い込み期間に入るので、空港や入学、入居の手続きなどですぐに使えるような実践的な会話練習を増やしましょう。
留学手続きが本格化する頃ですが、週に8時間以上使えると理想的です。

3-2学習スケジュール

留学前の学習スケジュール

留学前の学習スケジュールを上記の図にまとめました。大きく分けると5段階です。
5段階とはいえ、まず①のテスト受験に備え、前述したように1年半前を目安にテスト勉強を進めていきましょう。

テストに合格してからの1年間は期間ごとに勉強方法を切り替えていき、留学に備えます。
スケジュールに沿って留学準備をしていくことで、実りのある留学生活を送る事ができるでしょう。

4.学習を継続するための方法

英語に限らず語学の勉強は、継続して勉強し続けることが大切です。

学生から社会人になるなど、立場が変化すれば必要な英語表現も変化していくので、常に英語力をアップデートしていく意識でいましょう。
下記では英語を長く学び続けるためのコツをお伝えします。

・目標を設定
留学そのものを目標として掲げるのも良いでしょう。
また、留学後の学位や資格取得や英語を学んだ上で特殊技能の資格取得、憧れの職場でインターンとして働くなど、明確な目標を決めましょう。

・英語学習を楽しむ
「今まで自らの考えを英語で発言することが難しかったができるようになった」
「英語が聞き取れるようになり意味が理解できるようになった」など、自分の進歩が実感できると英語の学習はますます楽しくなります。
何かを達成したら自分にご褒美をあげるなど、楽しみながら続けましょう。

・モチベーションを維持する方法
長く続けるためには、興味をもって長続きする教材を選ぶことが大切です。
映画、ドラマ、音楽など、自分に合う好きなものから教材を選びましょう。

5.まとめ

海外留学に出発する前に、日本で準備できる英語の勉強法を紹介しました。
留学前から、英語の基礎学習や海外での生活を想定した会話練習をしておくことで、留学後の英語の上達が一段と早くなります。

留学では、海外でしか得られない貴重な体験を経験することができるため、今後の人生にも影響してくるのではないでしょうか。

最近は、無料や低価格で利用できる英語教材がたくさんあります。
海外留学を成功させるためにも、日本でできる限り英語力を上げてから出発するようにしましょう。