はじめに
大英博物館、バッキンガム宮殿、ストーンヘンジなどの観光地だけでなく、シェイクスピアの言葉が生まれたことで有名なイギリス。英語を学ぶにはこれ以上ない環境であり、あなたの英語力は確実にアップするでしょう。「世界で通用する英語力を身につけたい」、「英語圏で就職したい」、「英語を使った専門分野を極めたい」などの目標を、イギリス留学が叶えてくれるかもしれません。
「留学」には期間や費用を抑えた「編入」という選択肢があります。この記事ではそんな「編入」を中心に、特徴や具体的なステップを解説しています。グローバルな人材へ向けて成長するためにも、自分に合った留学の形を見つけましょう!
1.イギリス留学における大学とカレッジの違い

イギリスへの留学を検討されている方の中には、「カレッジ」と「大学」の違いが分からないという方も多いのではないでしょうか。どちらも高等教育機関ですが、それぞれ特徴が異なります。
イギリスにはカレッジと大学に大きな違いがある
イギリスには、カレッジと大学という2種類の高等教育機関が存在します。
- カレッジ
比較的入学しやすく、2年間など短期集中型の課程が多いのが特徴です。
- 大学
より学術的な研究が行われ、3〜4年間の課程が一般的です。
この記事では、日本からイギリスのカレッジ・大学に編入したい人に向けて、それぞれの違いやメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
カレッジや大学への入学ではなく編入という選択肢
イギリスの大学は一般的に3年制であり、入学時期も日本とは異なります。
また、カレッジや大学への入学では要求される単位が多く、高い英語力も必要になります。
そのため、高校卒業後すぐや、大学であまり単位が取れていない状態での入学は難しくなります。まずは、専門学校や大学で必要な単位を取得したり、高い英語力を身につけたりすることを優先し、「編入」という選択をとることをおすすめします。
イギリスのカレッジとは?
カレッジは、大学よりも小規模で、専門分野に特化した教育機関です。ビジネス、アート、デザインなど、様々な分野のカレッジが存在します。
カレッジを選ぶメリット
カレッジを留学先に選ぶことには以下のようなメリットがあります。
自分の状況と照らし合わせてみましょう。
- 入学要件が比較的柔軟な場合が多い
大学受験に比べて、入学要件が緩和されている場合が多く、比較的スムーズに入学できます。 - 専門的な分野を深く学ぶ
特定の分野に特化しているため、専門知識を深く学ぶことができます。 - 実践的な学びが多い
実習やインターンシップなど、実践的な学びの機会が多いのも特徴です。 - 短期で卒業できる
2年間を基本として、短期間で卒業できるため、早く社会に出たい人や、特定のスキルを身につけたい人に向いています。 - 安価な費用
大学留学に比べ、期間も短いため学費が抑えられます。
カレッジを選ぶデメリット
カレッジはメリットが多くありますが、一方でいくつかデメリットもあります。
以下のポイントを判断材料にしてください。
- 選択肢が狭まる可能性
幅広い学問に触れず、専門的な勉強が多いので、進路が決まっていないという人にとっては選択肢が狭まる。 - 追加の費用
カレッジを卒業して大学や大学院に進学したくなった場合、大きな費用が必要になる。 - 学歴の評価
大学に比べて、低い学歴という印象を与えてしまうことがある。
カレッジを選ぶ際の注意点
カレッジを選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。
- 自分の目標に合ったカレッジを選ぶ
どんなスキルを身につけたいのか、将来どのような仕事に就きたいのか、といった自分の目標を明確にしてからカレッジを選びましょう。 - カレッジの評判を調べる
カレッジの卒業生の就職率や、企業からの評価などを調べることが必要です。 - 費用をしっかりと見積もる
授業料だけでなく、生活費や渡航費なども含めて、必要な費用を見積もります。
カレッジは、専門的なスキルを短期間で身につけたい人や、実践的な学びを求めている人におすすめです。
しかし、メリットだけでなくデメリットもあります。
カレッジを選ぶ際は、メリットとデメリットを比較検討し、慎重に決めることが大切です。
イギリスの大学とは?
イギリスの大学は、カレッジよりも大規模で、幅広い学問分野をカバーしています。学術的な研究に力を入れており、専門的な知識やスキルを深く学べます。
大学のメリット
カレッジではなく、大学を選ぶのもひとつの選択肢です。大学ならではの強みを紹介します。
- 高い英語力が身につく
大学への入学には、一般的に入学試験やAレベルの成績が求められます。そのため、高い英語力が必要となり、留学中に英語力を飛躍的に向上させることができます。 - 幅広い分野を学べる
人文科学、社会科学、自然科学など、多岐にわたる分野の学部・学科が設置されています。自分の興味関心に合った分野を深く探求することができます。 - 学術的な研究に力を入れている
最先端の研究が行われており、研究に参加する機会を得られる場合もあります。 - グローバルな人脈が築ける
世界中から集まる留学生との交流を通じて、国際的な視野を広げることができます。
大学のデメリット
大学への留学は比較的カレッジよりも難易度が高いのが特徴です。自分の学習状況や目標に応じた選択をしましょう。
- 卒業までに時間がかかる
通常、3〜4年間の課程を修了する必要があります。 - 入試難易度が高い
入学試験が難しく、競争率も高いため、入学が困難です。 - 生活費が高い
カレッジに比べて、一般的に授業料や生活費が高額です。
以下で、カレッジと大学の主な違いをまとめたので、参考にしてください。
項目 | カレッジ | 大学 |
---|---|---|
規模 | ・小規模 | ・大規模 |
専門性 | ・専門分野に特化 | ・幅広い分野をカバー |
入学要件 | ・比較的柔軟 | ・入学試験の通過やAレベルの成績が必要 |
授業料 | ・高額な場合が多い | ・高額な場合が多い |
卒業までの期間 | ・2年間など短期間 | ・3~4年間 |
特徴 | ・実践的な学び | ・学術的な研究 |
大学は、専門的な知識を深く学びたい、研究に興味がある、幅広い分野を学びたいという人におすすめです。
しかし、入学難易度が高く、卒業までに時間がかかるなどのデメリットもあります。
2.イギリス以外の国々におけるカレッジ・大学の特徴

イギリスと比較して、オーストラリアやアメリカなど、他の国々のカレッジや大学には、どのような特徴があるのでしょうか。それぞれの国におけるメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
イギリスとの違いと多様な選択肢
イギリスのカレッジと大学が比較的シンプルな構造であるのに対し、オーストラリアやアメリカでは、教育機関の種類が非常に多様です。他国の留学では、イギリスよりも多様な選択肢の中から、自分の目標や興味に合わせて最適な教育機関を選ぶことができます。
メリット
イギリスのカレッジや大学にはないメリットがいくつかあります。
- 自由な学習環境
イギリスに比べて、授業の進め方や評価方法が柔軟。自主学習を重視する傾向 - 多様な学生との交流
世界各国から留学生が集まり、多様な文化に触れられる - 専門分野の選択の幅
専門分野の選択の幅が広く、自分の興味関心に合った分野の深い学習 - 4年制大学
イギリスと同様に、学士号を取得するための一般的なコース - コミュニティカレッジ
2年制の学校で、専門的なスキルを習得し、4年制大学への編入を目指す
デメリット
- 膨大な量の課題
アメリカの大学では、特に課題の量が多い - 物価が高い
特にアメリカやオーストラリアの都市部では、物価が高い - 治安の悪い地域がある
都市部によっては、治安の悪い地域があるため、注意が必要 - 留学生の割合
アメリカのように多様な国籍の学生が集まる大学では、言葉の壁や文化の違いに苦労する
各国の特徴
アメリカ
- 4年制大学が主流
- 学部と大学院が明確に分かれている
- 充実したキャンパスライフ
- スポーツやサークルが盛ん
オーストラリア
- イギリスのように3年制大学が主流
- 自然豊かな環境
- アウトドアアクティビティが盛ん
カナダ
- バランスの取れた教育システム
- 実学主義で理論以外の学びにも注力している
- 多文化共生の社会を体験できる
イギリス以外の国々では、多様な教育機関が存在し、それぞれに特徴があります。留学先を選ぶ際には、国ごとの教育システムや文化、自分の目標などを総合的に見直し、自分に合った国を選ぶことが大切です。
3.イギリスのカレッジ・大学への編入方法は難しい?

イギリスの大学への編入は、他の国に比べて難易度が高いとされています。その理由は、以下の通りです。
イギリスの大学編入が難しい5つ理由
- 学年制度の違い
イギリスの大学は、多くの場合3年制であるのに対し、日本の大学は4年制です。そのため、日本の大学2年生がイギリスの大学2年生に編入する場合、日本の大学1年分の単位が認められない可能性があります。 - 入学時期の違い
イギリスの大学は、9月に新学期が始まることが一般的です。そのため、日本の大学を途中で中退してイギリスの大学に編入する場合、1年間の留学期間が空いてしまう可能性があります。 - 学歴評価の厳し
さイギリスの大学には、高い学力を持つ学生が集まります。そのため、編入を希望する学生には、高いGPA(成績評価点)や英語力が求められることが多いです。 - 競争率の高さ
イギリスには、オックスフォード大学やケンブリッジ大学など、世界的に有名な大学が多く存在します。これらの大学のようにイギリス国内の大学には、優秀な学生が集まりやすいので、競争率が非常に高くなっています。 - ビザの取得難易度の高さ
イギリスの学生ビザを取得するためには、一定の英語力や財政証明が必要です。特に、編入の場合は、日本の大学での成績や英語力証明書(IELTSやTOEFLなど)を提出する必要があります。
イギリスの大学への編入は、日本の大学に比べて難易度が高いと言えるでしょう。しかし、諦める必要はありません。事前にしっかりと準備を行い、自分の強みをアピールすることができれば、イギリスの大学への編入は可能です。
4.イギリスの大学へ編入する際に知っておきたいこと

編入のメリット
イギリスの大学への編入には、いくつかのメリットがあります。
- 短期間で学位を取得できる
日本の大学で既に学んだ単位が認められる場合、イギリスの大学での留学期間を短縮し、より早く学位を取得できる可能性があります。 - 専門分野の学習に集中できる
同様に、日本の大学での単位が認められた場合、同じ科目を履修する必要がなくなるため、より専門的な分野を学ぶことに集中できます。
編入に必要な条件
イギリスの大学への編入には、以下の条件が求められます。
- 英語力
IELTSやTOEFLといった英語力試験で、各大学が設定するスコア以上を取得している必要があります。 - 学業成績
日本の大学でのGPA(成績評価点)が、各大学の基準を満たしている必要があります。 - ファウンデーションコース
一部の大学では、海外からの学生向けに1年間の予備教育課程(ファウンデーションコース)を用意しています。このコースを修了することで、大学の専門課程への進学がよりスムーズになります。 - 直接編入
専門学校での成績が優秀な場合や、関連する実務経験がある場合は、大学2年次または3年次に直接編入できる可能性があります。ただし、競争率は高く、各大学の要件を満たす必要があります。
イギリスの大学への編入は、「短期間で学位を取得したい」、または「日本の大学で学んだ知識や経験を活かして、より専門的な分野を学びたい」という人にとって魅力的な選択肢といえるでしょう。しかし、条件が厳しいことは事実なので、事前に調べておくことが必要です。
5.実際に編入するには?

ここからは、具体的にどのようなステップを踏んで留学を実現させるのか、「東京ビジネス外語カレッジ」を例にして、詳しく解説していきます。
TBL(東京ビジネス外語カレッジ)を経由して編入を目指す
東京ビジネス外語カレッジでは、提携先の大学と単位を共有して留学することができます。以下の4つのステップを踏む、「2+2コース」といったカリキュラムがTBLには設置されています。
ステップ1. 単位の取得
東京ビジネス外語カレッジで、提携大学と共通の単位を 2年間で取得
ステップ2. 必要書類の準備
編入にあたって、成績証明書や推薦状などの書類を用意
ステップ3. 編入
単位を取得したら、提携大学へ約2年間の編入
ステップ4. 学士号の取得
最短4年間で学士号を取得
費用
2年間の留学なので、3〜4年間の留学よりも抑えられた費用
TBLの主なイギリスの提携大学
TBLが提携している大学は主に2校あります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
国立ミドルセックス大学

特徴
- ロンドン中心部の活気あるキャンパス
ロンドンの中心部に位置し、多様な文化に触れながら学べる魅力的な環境 - 実践的な教育
産業界との強い連携と、実践的な学びを通じた、即戦力となる人材の育成 - 多様な学部・学科
ビジネス、芸術、人文科学、社会科学など、幅広い分野の学部・学科の設置 - 国際色豊かなキャンパス
世界各国から留学生が集まることによる、国際的な交流 - 留学生サポート体制が充実
留学生向けのサポートセンターや、ビザの手続き、生活に関する相談などを受けられる、安心した留学生活
国立ウエストイングランド大学

特徴
- ブリストルという活気あふれる都市
イギリス南西部に位置する、歴史と文化が融合した活気あふれる都市 - 実践的な学びと産業界との連携
産業界との強い連携ろ、実践的な学びを通じた、即戦力となる人材の育成 - クリエイティブな分野が強い
アート、デザイン、メディアなどのクリエイティブな分野への注力と、世界的に活躍するアーティストやデザイナーを輩出 - ビジネススクールが人気
ビジネススクールを通じた、ビジネス分野でのキャリアアップ - 学生生活が充実
スポーツやサークル活動など、学生生活を充実させるための様々なプログラム
卒業生の声

本多さん
グローバルビジネスコース 卒業
高3の2月に、国内大学進学から海外大学進学へと志望を変更し、TBLを経てミドルセックス大学へ進学しました。TBLでは多様な留学生と交流し、英語力向上とグローバルな視点の育成に努めました。交換留学の経験も、海外大学での学びに対する準備になりました。サッカーへの興味と学費の安さ、そして国際的な環境に惹かれてミドルセックス大学を選びました。現在は、貿易関係の仕事という将来の夢に向けて、多忙ながらも充実した日々を送ることができました。
TBLの「海外大学編入・学士号取得プログラム「2+2」コース」の詳細や卒業生の本多さんインタビューはこちら
まとめ
イギリス留学は、単なる語学学習だけでなく、あなたの人生にとってかけがえのない経験となるでしょう。世界中の優秀な学生たちと学び、多様な文化に触れるだけでなく、自分自身を見つめ直す機会にもなるはずです。
留学の準備は、決して急ぐことはありません。 まずは、留学したい理由や目標を明確にし、自分に合った大学やコースを選びましょう。留学エージェントや専門学校のサポートも活用しながら、計画的に準備を進めていくことが大切です。
留学は、あなたの人生を大きく変えるチャンスになります。 迷っているなら、まずは一歩を踏み出してみませんか?